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女性5人に1人「デートDV」被害 自分責め被害認識乏しく 埼玉女性殺害

さいたま市大宮区のビルで殺害された金井貴美香さんは、鳥山裕哉容疑者による暴力について何度も警察に相談していた。こうした交際相手からの暴力は「デートDVドメスティックバイオレンス)」と呼ばれその形態は、暴力だけはなく、束縛や嫌がらせなど多岐にわたる。被害者は追い詰められて自分を責めることも多く、被害が表面化しにくいことも。徐々にエスカレートして事件に発展するケースも目立ち、専門家は周囲への早期の相談などを促している。


 ■20代女性では36%も被害

 内閣府の調査(平成29年度)によると、交際相手から暴力被害を受けた経験のある女性は21・4%と、およそ5人に1人に上るという。20代に限定すると36%に達し、深刻度が増している。しかし、被害者のうち周囲に相談したという人は55・9%で、相談先が「警察」と回答した人は2%にとどまる。

 《居場所を逐一報告させられる》《バイトをやめさせられた》《「別れたら死ぬ」と言われた》。デートDVは暴力だけではなく精神的な嫌がらせや過度な束縛・監視も含まれるが、徐々にエスカレートしていくため、加害者、被害者ともに、DVの意識を持ちにくいとされる。

 デートDV防止活動などを続けるNPO法人「エンパワメントかながわ」の阿部真紀理事長も「被害者は『おまえが悪い』などといわれ、自分が悪いから仕方ないと思わされるため、暴力だと気づきにくく被害が表面化しない側面もある」と説明。被害は氷山の一角で実際はもっと多いとみている。

 エスカレートの末に事件に発展するケースも後を絶たない。

 宮城県石巻市では平成22年2月、少年(18)が交際相手の少女の姉(20)ら3人を殺傷。少年は「交際を反対している姉が邪魔だった」と供述。少女は10回以上にわたり警察に暴力の相談をしていた。

 大阪府堺市では29年9月に交際相手の男(48)が、女性(35)と娘(4)を刺殺する事件があった。女性は警察に相談していたが、その後「別れた」と申告し、対応が打ち切られていた。

 今年1月にも大阪市で、交際相手の女性(33)の首を絞めて殺害しようとしたとして殺人未遂容疑で男(33)が逮捕された。女性も警察に被害を相談していたという。

 ■「周囲に早く助け求めて」

 深刻化するデートDV被害だが、国の対応は十分とはいえない。26年の改正DV防止法で婚姻関係がなくても同居の交際相手から受ける暴力へも裁判所が保護命令が出せるようになったが、今回のような同居していない交際相手は対象とされていない。

 阿部理事長は「被害者は悪くはない。デートDVというものを知り、自分が被害に遭っていることを認識し、周囲に早く助けを求めてほしい」と訴えている